櫻井優司プロフィール

私はもともと、スキー選手でした。当時は、大回転の選手として、毎日のトレーニングに明け暮れていました。スポーツを続けていくには、道具の調達、遠征や合宿と、膨大な費用が必要になります。活動費用の捻出と練習時間の確保に苦しみながらも、楽しい時期でした。 明けても暮れても、効果的で効率の良いトレーニングをすること、時間を有意義に活用することばかりを考えていました。

その結果、東京出身のスキー選手では、異例の成果を認められ、長野県菅平に籍を移しました。夏は東京・冬は菅平と拠点を変えながらの選手活動でした。

櫻井優司

エピソード

人生の転機

カナダのカルガリーでのトレーニング滑走中、コースを横切った他国の選手との接触により、転倒。膝の粉砕骨折、靱帯断裂におよぶ大怪我を負いました。
即、現地で膝の手術をすることになり、私の選手生命は絶たれました。身を切るような辛い事故でした。

ベッドの上で痛みと精神的苦痛に耐える日々が続きました。ある程度の時間が経過し、リハビリを受けられるまでに回復した頃、絶望するどころか、復活に執着心を抱いている自分に気付きました。辛かった事故をきっかけに、スポーツへの熱意、健康への執着がさらに湧いてきたのです。
その後、リハビリに関するメソッドとアメリカで出会うことになります。現在ではMedical rehabilitation of the injuly athleteの中で体系化されているリハビリテーションです。

リハビリテーションの日々

30年前のことですから、ストレッチング技術やリハビリ指導も模索中、研究段階だったように思われます。PTが数人でリハビリ指導するのですが、PTによって、手法や回数、負荷の掛け方に明らかな違いがありました。
私の場合は強化方式のPTが担当でした。同時期に同様、同程度の怪我で、入院・手術をしたアイスホッケーの選手がいました。

体重・体格は私より大きかった彼は、細いチューブで不可のかからないリハビリだけを行っていました。私はチューブエクササイズはわずかな期間のみ。一方、重いダンベルを地面に転がし、紐をつけ、下腿の回旋エクササイズを指導された私は、涙の出るような辛いリハビリを行っていました。
その横で、楽々とリハビリを行っていたホッケー選手の顔が今でも目に浮かびます。後になって考えれば、私が辛い思いをして、毎日行っていたリハビリメソッドこそが、回復を早め、運動機能の強化につながる手法でした。

救急法の資格を取得

アメリカから来たDr.Frederick O.Muellerから指導されたその特殊なリハビリテーションのおかげで、現在は、ランニングやスキーを楽しむことができ、選手とのトレーニングを行えるまでに回復しています。

現地でのリハビリ生活の合間に、メディックファーストエイドのスポーツメディシン救急法の資格を取得しました。自身がスキー選手として活躍できないなら、選手の役に立つポジションにつきたい、スポーツトレーナーという職業を意識してのことでした。そこで初めて選手の体に触れ、けがや事故に対応するノウハウを身につけることができました。

帰国後、メソッドが誕生

帰国後、トレーナーとして活動したいと夢を描いていました。が、様々な理由で、その夢はなかなか叶いませんでした。
思うようにならず悶々と生活していたある日、友人のつてで、英語のできるトレーナーを探していることを知り、自分のトレーニングメニューと応急処置の知識をプレゼンテーションする機会に恵まれました。

主な経歴

84年菅平スキー学校講師 全日本スキー技術選手権総合10位
91年F-3000 ユニバーサルチーム 鈴木利男選手専属トレーナー
93年F-1 ラルースランボルギーニ 鈴木利男選手専属 トレーナー
94年グラナダ・ダカールラリー 川又 寛選手専属トレーナー
95年SUZUKA8時間耐久レーストレーナー
95年関東社会人フットボールリーグX2 「バーバリアン」 チーフトレーナー
96年フォーミュラーNIPPONセルモ 光貞秀俊選手専属 トレーナー
96年神奈川県立高校陸上部 アドバイザートレーナー
98年パラリンピックチェアスキー 金メダリスト志鷹昌浩選手 フィジカルトレーナー
98年法政大学 スピードスケート部コーチ
99年東京スポーツレクリエーション専門学校 非常勤講師
02年東京体育専門学校 非常勤講師
02年太鼓集団 鼓童 フィジカルトレーナー
02年玉川大学 アメリカンフットボールトレーナー
03年成城学園成城学園ラグビー部 フィジカルトレーナー
07年JAL国際救急法 訓練講師
08年リンパアクティベーション(旧リンパコンディショニング) 考案
09年リンパアクティベーション(旧リンパコンディショニング) 顧問就任

著書・人物紹介

アウトドア月刊誌『ガルビー』「人と自然が大好き」
野外教育情報「チェアスキーのトレーニング」(日本教育科学研究所)
アスレチックトレーニングの実際(南江堂)
NHK教育テレビ タオルエクササイズ  監修
西東京市 生き生き体操 監修
北海道 福島町 「横綱体操」監修

資格

全日本スキー連盟指導員・B級検定員
救急蘇生法・MFAメデックファーストエイド指導員
カヤックカヌー指導員・ネイチャーゲームB級指導員
NATAアスレチックエマージェンシー認定
NFLコーチングアカデミー修了

LECTURE

事故ゼロの現場リーダーヒューマンエラーを防ぐ職場つくりなど全国各地で講演会を行っています。